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家畜栄養生理学実験 2013
2013年12月1日

名前を変えて全15回になったこの学生実験も今年で5度目です!
前半ではヒツジを、後半ではラットを用いて、動物が摂取した飼料がお腹の中でどう代謝されていくのかを考えます。
このページでは、慣れない実験に戸惑いながらも、がんばる初々しい3年生の模様をお伝えします。

第1回 ルーメン液のサンプリング、pH測定およびプロトゾア観察

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
初回の実験では各ヒツジからルーメン液を採取し、pHを測定、微生物の一種であるプロトゾアを観察しました。

今週はヒツジのルーメン液をサンプリングしました。
サンプリング後のルーメン液は一部培養用にとっておき、今回はpH測定、プロトゾア観察を行いました。
こちらはプロトゾア観察。
ルーメンの中にはどんな微生物がいるのでしょうか。
こちらはpH測定の様子。
ルーメン液のpHはどのくらいの値になるのでしょうか。
こちらはin vitro培養の準備。
粗飼料多給と濃厚飼料多給の条件に設定しています。
こちらはTAから説明を受けている様子。
サンプリングしたルーメン液はウォーターバスで保温します。
みんな熱心に観察しています。
泳いでいるプロトゾアを見つけた人もいるようです。

来週は両区における糖質分解酵素の活性を見ていきます
実験の基礎であるピペッティングを実践するとともに、酵素による飼料の分解について調べていきます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第2回 糖質分解酵素の活性測定

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
2回目の実験ではin vitro培養サンプルの糖質分解酵素の活性を測定し、粗飼料および濃厚飼料がルーメン内微生物の酵素で分解されることを確認しました。

培養サンプルのセルラーゼ活性とアミラーゼ活性を測定します。実験はうまくいくでしょうか。
ボルテックス中。
みんなで役割分担してしっかり実験しています。
入れる試薬、順番を間違えないように注意しましょう。
マイクロプレートリーダーの調子が悪いです。
しかし、きちんと吸光度を測定することができました。
マイクロプレートに分注しています。
ピペットの操作を覚えることも大切です。
結果をホワイトボードに記入。
ルーメン液よりセルラーゼ活性の高い人もいました。

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はSCFA濃度、アンモニア態窒素濃度の測定を行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第3回 SCFA濃度とアンモニア態窒素濃度の測定

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
3回目の実験では、短鎖脂肪酸(SCFA)とアンモニア態窒素濃度を測定し、飼料中の炭水化物が宿主動物のエネルギー源に変換されることを理解し、微生物タンパク質の合成に必要なアンモニアが生成されていることを確認しました。

今回の実験は、家畜栄養学研究室の実験室で行いました。
今回の実験でも正確なピペッティングが大事ですが、大丈夫でしょうか…?
アンモニア態窒素濃度の測定はフェノール系の試薬を使うので、ドラフトで作業します。
こちらはSCFA濃度の測定です。
ガスクロにサンプルを注入します。
なれないシリンジでの作業に苦戦しているようです。
田森君の的確な指導が入ります。
実験結果をエクセルでまとめています。
期待していた結果となったでしょうか?

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はルーメン細菌からのDNA抽出とPCRを行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:川西)

第4回 ルーメン細菌からのDNA抽出とPCRおよび電気泳動

第5回 制限酵素消化によるルーメン内細菌叢解析

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
5回目の実験では、前回行ったDNA抽出~PCRで増幅したPCR産物を制限酵素で消化し、DNAレベルで細菌叢の違いを確認します。

電気泳動に使うゲル作り。
楽しそうにレンジを覗き込んでいますね。
今回使用する試薬「エチジウムブロマイド」は危ない試薬なので、グローブを装着して扱います。
反応の待ち時間は今までの復習をしました。
みんな熱心に小池先生のお話を聞いていますね。
統計のやり方を教えている松永さん。
統計処理は大切な作業ですね。
ゲルを泳動槽に移す場面。
慎重に・・・。
ウェルへの分注作業。
みんなとても上手でした。

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回は小林先生担当の実験に使うラットの群分けをします。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第6回 ラットの体重測定・群分け

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。
6回目の実験では、5週齢のSDラット10個体を体重測定し、2群に分けました。
これから3週間、このラットたちをお世話していきます。

「秘伝 なにわ式 2012」を伝授された3年生。
スポっと入りますね。
みんなラットの扱いが上手ですね。
協力してどんどん体重を測っていきます。
なにわ式のおかげで作業が早く進みます。
体重測定結果。
3週間後にはどのくらい重くなっているでしょうか。
ラットが脱走した時の目印として尾マークをつけます。
ラットかわいいですね。

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はリアルタイムPCRで菌叢解析をします。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第7回 Real‐time PCRによる繊維分解菌とデンプン分解菌の定量

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
これまでの実験では、粗肥料と濃厚飼料のバランスを変えると、短鎖脂肪酸、糖類分解酵素活性に違いが出ることを確認しました。
これは、それぞれの飼料分解に関与するルーメン細菌の種類が異なるためです。今回の実験では、ルーメン内で代表的な繊維分解菌、デンプン分解菌、可溶性糖類利用菌および総細菌をReal‐time PCRにより定量し、それぞれの細菌種の動態をモニターしました。

始めに、TA(4年田森)が見本を見せているようですね。3年生も真剣に見ていますね。
学生も、ピペッティングに挑戦します。
中には慣れた手つきピペッティングが出来ている学生もいて感心しました。
こちらも、分注作業の様子になります。
それぞれの試薬の分注量が少ないので、間違いの無いように慎重に作業を進めていますね。
作業を見守る学生のみんなも熱い眼差しをおくっていますね。上手くいったのでしょうか?
こちらは、分注が終わった後、栄養の研究室のLight Cyclerという機械でReal‐time PCRを行っている様子です。
最後にReal‐time PCRの結果をもとに、結果をホワイトボードにまとめました。小池先生がデータについて解説していますね。

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回は栄養生理学実験前半のまとめとして3年生にやってもらったプレゼンテーションの様子をお伝えします。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:田森)

第8回 プレゼンテーション

前半のヒツジ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
今回は、前半のまとめとしてこれまで行ってきた実験の結果・考察を班ごとに発表してもらいました。

最初の発表は4班です。
トップバッターは緊張したかと思いますが、それを感じさせない発表でした。
4班のスライドです。
スライドに絵をのせて説明すると、説明が分かりやすく、印象にも残りました。
次は5班です。
結果のグラフが見やすく、分かりやすいスライドでした。
1班の発表です。
ハキハキとしたしゃべり方で、聴衆を飽きさせない発表でした。
3班の発表です。
最後にまとめの考察があり、実験全体をうまく考察できていました。
3班のスライドです。
結果のグラフの横に着眼点が書いてあるのがとても分かりやすかったです。
最後は2班の発表です。
2班はスライドに統一感があり、チームワークを感じました。
結果発表です。3位は2班でした。
おめでとうございます!
2位は1班でした!
そして1位は3班です!
お疲れ様でした!!
(写真をミスりました。すみません…。)

 

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回からは食物繊維の有無がラット(単胃動物)に与える影響を見ていきます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:川西)

第9回 ラット諸器官計測、サンプル採取

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、そのラットから血液と盲腸・回腸内容物を採取します。
さらに、腑分けも行い、各臓器・組織重量、消化管内容物重を測定し、飼料による腸内環境への影響を検証します。

小林先生の説明からスタートしました。
サンプリングの仕方を学ぶ3年生たち
まずは体重測定を行いました。
一時的にポリビンの中に入れて測定です。
血液採取中!血液採取はコツをつかまないと難しいです。
器官を採取し、重量を測定していきます。
全員の協力で手際よく進めていきます。
2匹目となると手際よくサンプリングを行っていました。

今回の栄養生理学実験は以上です。
今後は採取したサンプルを分析し、食物繊維の有無と腸内環境の変化をいろいろな角度から検証していきます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第10回 アンモニア態窒素、乳酸、pHの測定

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、そのラットの盲腸内容物のアンモニア態窒素、乳酸、pHの測定し、飼料の違いが腸内フローラに与える影響を検証します。

今回の分析は盲腸内容物を用いて行います。
ピペットの使用には、少しずつ慣れてきたようです。
pH測定の様子です。
pHメーターにアプライしています。
アンモニア態窒素の測定では、ドラフト内での分注の作業があります。
マイクロプレートリーダーで吸光度を測定し、検量線を引くことで、サンプルの濃度を求めます。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回は血液を遠心して得られる血清を用いて、血中コレステロール、グルコース濃度の測定を行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:川西)

第11回 血中コレステロール、グルコース濃度の測定

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、ラットから採血し遠心分離して得られた血清を元に血中グルコースおよびコレステロールの濃度を測定します。

今回もマイクロプレートに分注の作業が中心です。
検量線を作成するために、濃度既知の標準液を作ります。仲田さんからのアドバイスが入ります。
今回の分注は1μℓや0.75μℓといったアプライ量があり、各班苦戦しているようです。
マイクロプレートに分注しています。真剣な様子が伝わってきますね。
吸光度を測定し、血中コレステロール、グルコース濃度を算出します。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はロールチューブ法による腸内菌の培養計数およびSCFA濃度測定です。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:川西)

第12回 ロールチューブ法による腸内菌の培養計数およびSCFAの測定

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、盲腸内のSCFA濃度測定と並行して、ロールチューブ法を用いて腸内細菌を培養する準備を行います。

ガスクロマトグラフィーにサンプルを入れます。
なかなか針が中に入らず苦戦している学生もいました。
SCFAの測定には時間がかかるので、その間にロールチューブを作成します。
寒天培地が偏って固まらないように慎重に転がせます。
サンプル数が多いため、手分けしてロールチューブを作成します。
失敗した班は無く、みなさん上手に作成しました。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はReal-time PCRによるラット盲腸内総細菌とビフィズス菌の定量です。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第13回 Real-time PCRによるラット盲腸内総細菌とビフィズス菌の定量

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、前回行いましたロールチューブ法による腸内細菌の培養計数を求め、また、Real-time PCRについて学びました。

最初は前回の培養の結果を集計するところからスタートしました。
マジックペンを用いて、コロニーに点を打ちながら数えていきます。とても地道な作業です。
プレバイオティクスの機能やReal-time PCRについて真剣に学んでいます。
講義を受けて、頭を整理させます。
Real-time PCRについての問題を解いている光景です。教えてもらいながらそれぞれ解いていました。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はとうとう後半の最後、そして栄養生理学実験の最終回です!
後半の実験のまとめとしてプレゼンを行ってもらいます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第14回 プレゼンテーション(最終回!)

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回で家畜栄養生理学実験

トップバッターは2班です。簡潔で分かりやすい発表でした。
2番目は1班です。スライドの作り方が目を引くものでした。
3番目は3班です。考察もしっかりしていて、わかりやすい発表とスライドでした。
4番目は4班です。イントロからとても面白く、興味の湧く発表でした。
最後は5班です。5班らしい発表だったと思います!
結果発表により1位は3班でした。おめでとうございます!今回はバッチリ写真を撮れました!

今回の栄養生理学実験の様子は以上です。
1か月にわたる実験の内容を分かりやすくまとめて、かつ人に伝えるという作業は難しかったと思いますがこの経験は
この先必ず生きてくるはずです。
この家畜栄養生理学実験では2回しかプレゼンは行えませんでしたが、この機会で得たプレゼン力は、今後活かせる場所が
多くあると思います。ここで得た経験を忘れずに、これからもがんばっていってください!
全14回におよぶ実験、発表お疲れ様でした!
(担当:岩橋)