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家畜栄養生理学実験 2014
2014年12月1日

第1回 ルーメン液のサンプリング、pH測定およびプロトゾア観察

前半のウシ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
初回の実験ではウシからルーメン液を採取し、pHを測定、微生物の一種であるプロトゾアを観察しました。

はじめに、小池先生から内容の説明を受けている様子です。今週はウシから採取したルーメン液を、pH測定、プロトゾア観察、一部は培養用に用いました。
こちらはプロトゾア観察です。
ルーメンの中には一体どんな形をした微生物がいるのでしょうか?
こちらはpH測定の様子です。
ルーメン液のpHはどのくらいの値になるのでしょうか?
こちらはin vitro培養の準備です。
粗飼料多給と濃厚飼料多給の条件に設定しています。
ルーメン液をホールピペットを使ってはかりとっている様子です。誤って吸い込んでしまった学生はいなかったようですね!
サンプリングしたルーメン液はこのように39.0℃に設定されたウォーターバス内で保温します。
こちらの写真は、栄養学研究室に学生がやってきた時の様子です。普段見慣れない実験室の雰囲気に興味深々なようですね!
こちらは、in vitro培養後翌日に、ルーメン内微生物のはたらきにより試験管内でどのようなことが起こったのかを、確認しようとしている様子ですね。

来週は両区における糖質分解酵素の活性を見ていきます。
実験の基礎であるピペッティングを実践するとともに、酵素による飼料の分解について調べていきます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:田森)

2回 糖質分解酵素の活性測定

前半のウシ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
2回目の実験ではin vitro培養サンプルの糖質分解酵素の活性を測定し、粗飼料および濃厚飼料がルーメン内微生物の酵素で分解されることを確認しました。

培養サンプルのセルラーゼ活性とアミラーゼ活性をこれから測定します。実験はうまくいくでしょうか?
慣れないピペット操作に戸惑う学生も多かったですが、班員で協力し合って実験を進めていました。
こちらは、TAの川西さんからマイクロプレートにつての説明があったようですね。このプレートを用いて、この後、吸光度を測定します。
沸騰水の中に試験管を入れ、この後、発色した反応液をマイクロプレートに移し、マイクロプレートリーダーを用いて、吸光度を測定しました。
結果をホワイトボードに記入しました。1班は検量線がとてもきれいにひけていたようですね。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はSCFA濃度、アンモニア態窒素濃度の測定を行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:田森)

第3回 SCFA濃度とアンモニア態窒素濃度の測定

前半のウシ(ルーメン)編では、採取したルーメン液を採取した後、試験管内に粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、試験管内のルーメン液に含まれる微生物による飼料の分解・発酵の解析から、お腹の中の発酵について考えていきます。
3回目の実験では、短鎖脂肪酸(SCFA)とアンモニア態窒素濃度を測定し、飼料中の炭水化物が宿主動物のエネルギー源に変換されることを理解し、微生物タンパク質の合成に必要なアンモニアが生成されていることを確認しました。

アンモニア態窒素の測定。
みなさん熱心に説明を聞いていますね。
吸光度の測定には正確なピペット操作が求められます。
アンモニア態窒素濃度の測定はフェノール系の試薬を使うので、ドラフトで作業します。
こちらはSCFA濃度の測定です。
ガスクロにサンプルを注入している様子です。
シリンジがなかなか刺さらない・・・。
みなさん苦戦しているようです。
さあ、今回はどんな結果になったでしょう??

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はルーメン細菌からのDNA抽出とPCRを行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第4回 ルーメン細菌からのDNA抽出、PCR

前半のウシ(ルーメン)編では、粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、それらの飼料がお腹の中でどのように分解・発酵されていくのかを見ていきます。
今回は、ウシの第一胃(ルーメン)で大事なはたらきをしているルーメン細菌の叢がどのように変化しているのかを探る第一ステップとして
ルーメン内容物からのDNA抽出とPCRを行いました。

小池先生からPCRの原理の説明を聞くみなさん。
原理は理解できたかな?
DNA抽出は、ピペット操作が命です!
サンプルの入れ間違いに注意しましょう。
さて、きちんとDNAは抽出できたのでしょうか??

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はPCR産物を用いて、DGGEによるルーメン内細菌叢変化を見ていきます。
はたしてどんな結果になるのでしょうか?
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:武田)

第5回 DGGEによるルーメン細菌叢解析

前半のウシ(ルーメン)編では、粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、それらの飼料がお腹の中でどのように分解・発酵されていくのかを見ていきます。
今回は、資料の分解、発酵に関与する微生物の構成の変化を探るべく、PCR-DGGE解析を行い、DNAレベルで細菌叢の違いを確認しました。

まずはPCR産物を電気泳動するところから始まりました。
ゲルに流し込む作業はとても緊張しますよね!
どの班もピペットの使い方は慣れてきました!
M1川西が見本を見せている様子です。
みなさん真剣に見ています。
いざ実践!うまく流し込めたでしょうか?
緊張の瞬間です!みなさん上手に流し込めていました。

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はルーメンから離れて、単胃動物であるラットの給与試験の準備としてラットの群分けを行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第6回 ラットの体重測定・群分け

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を
表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。

6回目の実験では、5週齢のSDラット10個体を体重測定し、2群に分けました。
これから3週間、このラットたちをお世話していきます。

小林先生の説明から始まりました。
これからラットの体重測定です!
毎年ポリビンにラットを入れる作業に苦労しますが、今年はどの班もなんなくクリアしました。
最後にラットの尻尾に番号を書いたシールを貼りました。
「秘伝 なにわ式 2012」がなんと来年からは「いまがわ式 2014」に変わるかもしれませんね!

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回はルーメン内の細菌をリアルタイムPCRを用いて定量し、菌叢解析を行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第7回 Real‐time PCRによる繊維分解菌と可溶性糖類利用菌の定量

前半のウシ(ルーメン)編では、粗飼料を多給した区と濃厚飼料を多給した区を設定し、それらの飼料がお腹の中でどのように分解・発酵されていくのかを見ていきます。
これまでの実験では、粗肥料と濃厚飼料のバランスを変えると、短鎖脂肪酸、糖類分解酵素活性に違いが出ることを確認しました。これは、それぞれの飼料分解に関与するルーメン細菌の種類が異なるためです。
今回の実験では、ルーメン内で代表的な繊維分解菌、可溶性糖類利用菌および総細菌をReal‐time PCRにより定量し、それぞれの細菌種の動態をモニターしました。

リアルタイムPCRで使用するマイクロプレートに分注する行程をM1武田が見本で行っています。
みなさん真剣に見て学んでいます。
いざ実践です!
ウェルを間違えないように注意しながら分注しました。
1μLを正確に入れる作業は難しいですね。
機械にかけている間、リアルタイムPCRの原理の説明を受けているところです。
各班のデータが出そろいました!予想通りの結果が得られたのでしょうか?

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回は前半の実験のまとめとして各班でプレゼンテーションを行った様子を、お伝えします。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岩橋)

第9回 ラット諸器官計測、サンプル採取

3週間にわたり、ラットの給与試験を行ってきました。
今回は、そのラットから血液と盲腸・回腸内容物を採取します。
さらに、腑分けも行い、各臓器・組織重量、消化管内容物重を測定し、飼料による腸内環境への影響を検証します。

小林先生の説明からスタートしました。
こちらがラットです。三週間前と比べて格段に大きくなっていましたね。
体重測定を行ったあと、ラットの解剖を行っていきました。
血液採取中!血液採取はコツをつかまないと難しいです。小林先生もサポートに回っています。
解剖後、器官を採取し、重量を測定していきます。
班員で協力して手際よく進めていたようですね。

今回の栄養生理学実験は以上です。
今後は採取したサンプルを分析し、食物繊維の有無と腸内環境の変化をいろいろな角度から検証していきます。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:田森)

第10回 ラットの血中グルコース・コレステロール濃度測定

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。
ラット解剖後初となる今回の実験では、心臓から採血した血液を用い、その中のグルコース・コレステロールの濃度を測ります。

小林先生から実験の意義の説明です。
食物繊維は血糖値やコレステロールを下げる効果があると言われていますが、果たして結果は…?
今回の実験はマイクロプレートへの分注がほとんどです。
一人が分注を担当、もう一人がチェック、残りの人は…
こらこら邪魔しちゃだめですよ。
分注後はつまようじで泡を潰します。
正確な結果のために、狙いを定めて…ぷすり。
恒例の検量線コンテスト、R2値が1に近いほど高得点です。
優勝班には景品のLOOKが贈呈されました。おめでとう!!

今回の栄養生理学実験は以上です。
次回は腐敗産物であるインドール・スカトールを測定します。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岸)

第11回 腐敗産物インドール・スカトールの測定

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。
今回は盲腸内容物を用いて、腐敗産物であるインドール・スカトールの測定を行います。

盲腸内容物を0.1 g量り取ります。小さいので大変です。
当ラボ長内さんも参戦です。
スタンダードを作ります。ちょっと臭いのが難点。
マイクロチューブがたくさん必要なこの実験。がんばれ~。

今回の栄養生理学実験は以上です。
インドールとスカトールは目に見えて違いがでたようです。
次回はガスクロマトグラフィーによるSCFA測定と、ロールチューブの作成についてお伝えします。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岸)

第12回 ガスクロマトグラフィーによるSCFA測定とロールチューブ作成

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。
今回の実験では、ガスクロマトグラフィーを用いて盲腸内容物のSCFAを測定します。また嫌気的環境下における生菌数を測定するためにロールチューブの作成を行います。

ガスクロマトグラフィーでは、サンプルをごく少量(1μℓ)吸うために専用のシリンジを用います。
これをガスクロマトグラフィーの機械にさすのですが、これがまた難しい。
田森さんのアドバイスのもと、手探りでさしこんでいきます。
ロールチューブ作成について小林先生から説明を受けます。
ロールチューブ作成はスピードが命!早くしないとアガーが固まってしまいます。
嫌気培養のプロフェッショナル、秋山さんがロールチューブ作りを実演します。うまく作れるかな?

今回の栄養生理学実験は以上です。
ロールチューブは、無事に菌が生えてくるでしょうか?
次回は、今回作成したロールチューブについてコロニー数の計測を行い、盲腸内容物のアンモニア・乳酸・pHを測ります。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岸)

第13回 ロールチューブのコロニー数計測と、盲腸内容物のアンモニア・乳酸・pH測定

後半のラット(単胃動物)編では、食物繊維(セルロース)有無の精製飼料を給与したラットを用いて、健康と栄養状態を表す一連の指標を分析しながら、食物繊維の効果について考えていきます。
今回の実験では、前回作成したロールチューブについて、できたコロニー数を数えます。また、盲腸内容物のアンモニア態窒素や乳酸pHを測ります。

コロニー数を数えています。サインペンを片手に一つ一つチェックをつけながら数えていきます。
コロニーなのか、ただの傷なのか、間違えないように目を凝らして入念にチェックします。
今回もマイクロプレートへの分注が主な作業となります。
ピペット操作にもだいぶ慣れてきたようですね。
一部の作業はドラフト内で行います。ここでは2人の連係が重要です。

 

今回の栄養生理学実験は以上です。
これで全ての実験が終わりました。
次回は、今までの実験で得られた結果をもとに、食物繊維の効果について発表を行います。
それでは、次回もお楽しみに!
(担当:岸)